防舷材で船を保護!空気式防舷材の仕組みや選定時の注意点は?
船を守るなら防舷材を!空気式防舷材の仕組みや選定時の注意点などを解説
船が港に接岸する際、船体と岸壁の間で大きな力が発生します。この力は船体に損傷を与える可能性があり、特に船舶の大型化に伴い、その危険性は増大しています。船体の損傷は船の安全性を損なうだけでなく、修理のための費用や時間的損失など、経済的な損失も大きくなります。さらに、海洋環境の汚染につながるリスクもあります。船の接岸時における船体損傷を防止することは重要な課題です。この課題に対応するために防舷材が重要な役割を果たしています。中でも空気式の防舷材は、その優れた性能により注目を集めています。仕組みと特徴について解説します。
船舶の安全な接岸をサポート!空気式防舷材の仕組み
![船舶の安全な接岸をサポート!空気式防舷材の仕組み](/data/topwater/image/column/black-oval-float.jpg)
空気式防舷材の役割と重要性
船舶が接岸する際、船体と岸壁の間に大きな力が加わります。この力を吸収し、船体や岸壁の損傷を防ぐのが防舷材の役割です。船舶の安全な接岸をサポートする重要な設備といえるでしょう。空気式防舷材は内部の空気圧を利用して接岸エネルギーを吸収します。船が接岸する際、防舷材が圧縮されて内部の空気圧が高まることで、緩衝作用が生まれる仕組みです。傾斜して接岸した場合でも安定した性能を発揮できることも特徴です。従来のゴム製防舷材と比べ、空気式防舷材は高い吸収エネルギー性能を持ちます。適切に選定・設置することで船体への衝撃を大幅に和らげ、損傷リスクを抑えることができるのです。船舶の大型化が進む中、空気式防舷材への期待はますます高まっているといえるでしょう。
基本構造と材質
空気式防舷材の基本構造は、外層ゴム、補強コード層、内層ゴムで構成されます。外層ゴムは、コード層と内装ゴムを摩耗などの外力から保護する役割を担っています。悪天候や過酷な使用に耐えうる高い引張強度と引裂強さが強みです。カラーにはブラックをはじめ、グレーやクリーミーホワイトなどがあります。補強コード層はタイヤコードなどを適切な角度で配置・積層することで、内圧を保持して応力を均等に配分します。タイヤコードなどは編組されていないため、耐疲労性と圧力保持性能に優れているのが特徴です。内層ゴムは内部の空気を保持する役割を果たします。自動車用タイヤのライナーやチューブと同等の気密性の高いゴムコンパウンドなどが使用されます。
空気式防舷材は用途に応じた材質や条件に合わせた多様な設計が可能で、幅広いニーズに対応できます。
空気の圧縮性を利用した緩衝作用
空気式防舷材は内部の空気の圧縮性を利用することで、船舶接岸時の衝撃エネルギーを効果的に吸収します。防舷材に船舶が接触すると、内部の空気が圧縮されることで緩衝作用が生まれ、船体への衝撃を和らげます。空気の圧縮による緩衝効果は、船舶の接岸速度が速い場合や船体が重い場合でも安定して発揮されます。接岸時のエネルギーが大きいほど、より多くの空気が圧縮されるため、高い衝撃吸収性能を発揮できるのが特徴です。また、空気式防舷材は圧縮された空気の反発力により、接岸後すみやかに原形に復元します。これにより、次の接岸に備えていつでも緩衝性能を発揮できる状態を保ちます。
従来の防舷材との比較
空気式防舷材は従来のゴム製やウレタン製の防舷材と比べて、優れた性能を発揮します。より大きな船舶の接岸エネルギーを効果的に吸収し、船体の損傷リスクを低減できるのです。また、斜め方向からの接舷に対しても安定した性能を発揮します。ゴムやウレタン製品が接触角度によって性能が変化するのに対し、空気式はどの角度からの接舷でも一定の緩衝力を保てる点が特徴です。さらに、空気式は空気の入れ替えによって性能を回復できるため、メンテナンスの手間とコストを大幅に削減可能です。様々な面で優れた特性を持つ空気式防舷材は、船舶の安全な接岸と船体の損傷防止に大きく貢献します。
空気式防舷材の特徴とメリット
![空気式防舷材の特徴とメリット](/data/topwater/image/column/merit-floating-clear-sky.jpg)
優れた吸収エネルギー性能
空気式防舷材は優れた吸収エネルギー性能により、船体の損傷を効果的に防ぐことができます。この性能は、空気の圧縮性を利用することで実現します。空気式防舷材の内部には、高強度の繊維補強ゴムと空気室が設けられており、接岸時の衝撃エネルギーはまず高強度ゴムの変形によって吸収されます。さらに、内部の空気室が圧縮されることで、残りのエネルギーを効率的に吸収します。空気式防舷材は従来の防舷材と比べて2~5倍もの高い吸収エネルギー性能を有しており、大型船舶が高速で接岸した場合でも、船体への損傷を最小限に抑えることが可能です。
傾斜接舷時の安定性
船舶が岸壁に対して斜めに接舷する場合、船体と防舷材の接触面積が小さくなるため、局所的な圧力が高まり船体損傷のリスクが高くなります。しかし、空気式防舷材は独自の構造により、傾斜接舷時にも安定した性能を発揮します。防舷材表面の凹凸が船体との接触面積を増やし、局所的な圧力の集中を防ぎます。さらに内部の空気圧の作用により、接触面全体に均等な反力を与えることができるのです。また、パネルを複数連結した構造を採用することでパネル間の角度が自在に変化し、船体の傾きに合わせて受圧面を形成します。これにより、あらゆる角度からの傾斜接舷に対応できる高い安定性を実現可能です。
メンテナンスの容易さ
空気式防舷材は構造上、メンテナンスが容易といえます。外側のゴム製カバーは耐久性に優れており、日常的な清掃で長期使用が可能です。内部の空気室はモジュール式になっているため、破損部分だけを交換すれば済みます。大規模な修理は不要で、コストと時間を節約できるのです。また、空気圧の調整が容易で、船舶の大きさや接岸状況に合わせて緩衝性能を維持できます。圧縮空気の供給ラインと圧力計を備えており、専門知識がなくても簡単に調整が可能です。
日々の管理が容易で、トラブル時の対応も迅速かつ低コストで行えるのも大きな魅力といえます。
空気式防舷材の選定における注意点
船舶の大きさと接岸速度を考慮
空気式防舷材を選定する際には、接岸する船舶の大きさや接岸速度を考慮することが重要です。船舶が大きいほど、また接岸速度が速いほど、より大きな吸収エネルギー性能を持つ防舷材が必要となります。対象となる船舶の大きさと予想される接岸速度から、必要な吸収エネルギー量を算出します。その値以上の性能を持つ空気式防舷材を選定することが大切です。適切な防舷材の選択が船体の損傷防止につながります。
設置場所の環境条件の確認
空気式防舷材を選定する際には、設置場所の環境条件を十分に確認しておく必要があります。
潮位差
潮位差が大きい場所では、防舷材が常に適切な位置に配置することがポイントです。取り付け高さを調整する必要があります。
波浪・風
強い波浪や風が予想される場所では、防舷材への負荷が大きくなりやすいです。耐久性の高い材質や構造の製品が選択肢に挙がります。
温度
極端に高温や低温になる地域では、材質の劣化が早まる可能性があります。耐熱性・耐寒性に優れた製品がおすすめです。
塩分・汚染物質
海水や大気中の塩分、油などの汚染物質は防舷材の性能低下を招きます。耐薬品性に優れた材質を選ぶとともに、定期的な清掃とメンテナンスが欠かせません。
環境条件によっては防舷材の性能が十分に発揮されなかったり、製品の寿命が短くなったりするおそれがあります。設置前の入念な調査と適切な製品選定が大切です。
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空気式防舷材で船を保護!トップウォータータックルズ
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